どうも、僕こと氷室柾貴です。普段は正社員をしながら、神崎将臣先生公認で「重機甲兵ゼノン」の完全フルリメイク漫画「XENON REBOOT」を執筆しています。前フリ今年の5月、ゴールデンウィークのあとに長期休暇を取って東京に行ってきました。その時に、僕の大学時代からの友人で今は漫画原作者をやっている浜村俊基先生、浜村先生とコンビを組んで漫画を描いている藤澤紀幸先生、そして神崎将臣先生にお会いしてきました。浜村先生とは普段から割とチャットでお話しているのですが、ある日のチャットで「ひむろっちはどういう絵が上手になりたいの? 漫画? イラスト?」と聞かれ、「漫画」と答えると、「そしたら漫画の模写がいいよ」と返事があり、藤澤先生からも「模写するなら普通のポーズ」とのアドバイスがあり、さらに神崎先生からも「漫画の模写が一番早い」と言われました。・・・プロ3人から同じことを言われたらやるしかないじゃない!というわけで、僕の模写生活が始まるのですが、僕けっこう形から入るタイプなので、神崎先生にアナログ時代に使っていた画材を教えていただき、同じ画材を入手してから模写を開始しました。目標は1日1枚という感じで。ちなみに画材はこちら。カートリッジタイプの漫画用ペンです。1)模写生活が始まる僕の模写は参考資料を目で見ながらという基本に忠実な方法です。そして、完成した模写はTwitterのサークル内にしかアップしていないのですが、実際にどういうふうに模写をやってるかわからないかと思うので、ここでは特別に公開します。模写初日のもの。コピー用紙にやってしまったのと、どういう方針で行くかを決めてなかったので、立ちポーズ1つのみ。ちなみに、模写でペン入れまでやる理由はただ1つ。プロの原稿はペン入れされたものが完成品だから!そして、自分なりに気になった点や気づいた点を赤で記入。これが僕の模写です。で、さすがにコピー用紙でやるのもなんだかなぁと思って色々と用紙を買い込み、最終的にはDELETERの無地の原稿用紙に落ち着きました。余談模写はデジタルでやることもあります。その場合もペン入れをします。2)模写をして愕然とするこうして幕を開けた僕の模写生活ですが、目からウロコが落ちまくると言うか、愕然とすると言うか。前フリでもちらっと触れているのですが、「あれ? 僕って意外と普通のポーズを描いてない!」という事実に愕然としました。そして普通のポーズを地味に模写する日々・・・。(そのおかげかどうかわかりませんが、別件でイラストの仕事をいただけたので、それはそれでいいかな、と)そして、模写をやる時に下書きをそのまま残してペン入れをする方法に変えました。あと、模写をやる人が陥りがちなのが、「難しいポーズに挑戦して、描けなくて挫折する」現象ですが、それは骨格の取り方が見えていないからだと思います。僕も骨格の取り方が分からなくて、藤澤先生から「ウエストと腰は違う」「肋骨は箱で考える」というアドバイスと、浜村先生から「この骨格の取り方参考にしてみたらいいかも」という参考図を教えていただいて、今はその骨格の取り方で骨格を取っています。おかげでこういう「スタント」シーンの模写も昔よりはだいぶ楽にできるようになりました。昔は難しいポーズの模写に1日くらいかかってたんですけどね・・・。で、骨格をある程度捉えられるようになると、複数人が絡むポーズも描きやすくなりまして・・・。こういう定番の殴る「スタント」も実はそこまで時間はかかっていません。余談模写でわからない部分(筋肉とか骨とか)は美術解剖書やネットで調べています。そして、Twitterのサークルで公開するときはスマホのカメラで撮影したものをアップしているのですが、時々顔認識する事があるので、そういうときは嬉しいですね。あと、小さいコマのキャラは骨格からではなく、シルエットから細部を詰める方法で模写していたりもします。3)3ヶ月上達法の欺瞞絵の上達法で最近よく言われているのが「3ヶ月上達法」ですが、あれは前提として「模写がほぼ完璧にできる」レベルの人でないと、正直挫折します。3ヶ月上達法の方法についてはここでは触れませんが、完全に初心者の人がやると無意味な3ヶ月を消費するだけになります。なので、漫画絵を上達したい人は、漫画を模写したほうが圧倒的に早いです。このイラストは「天牢のアヴァロン」という漫画に登場するヨハンというキャラクターですが、これは模写ではありません。原作者の浜村先生に見せたら「やるやん!」って言われたくらいの、「一見模写に見えて、実は藤澤先生はこんなの描いてない絵」です。ぶっちゃけこのくらいさっとできないと、3ヶ月上達法をやる意味がないのです・・・。余談「3ヶ月上達法」ってほんとに独り歩きしてますよね・・・。実践してみた人の結果報告も「上達した」「途中でつらくなってやめた」など、賛否両論な印象があります。絵の練習法はいろいろありますので自分に合った方法、というか「自分がやってて楽しい方法」を取り入れたほうがいいかと僕は思っています。4)模写を1ヶ月続けて模写を1ヶ月続けて、本当に色々と発見があったり、今まで知らなかったことがあって目からウロコが落ちたり、分からなかった部分を調べて今まで漫然と引いていた線の意味を始めて理解したり、といろいろありました。そして、模写の成果を自分の絵に取り入れて行っていますので、僕の絵はどんどん変わっています、というかこれからも変わり続けていくでしょう。・・・本質的な部分は変わらないかとは思いますが。さいごにペン入れする模写を始めてから1ヶ月以上経過し、神崎先生から「ペン使いと線画が良くなった気がする」と褒められました。僕が思うに、模写を続けているうちに「この線はいる、この線はいらない、が見えるようになり始めている」のかもしれません。なので、今後も地道に模写を続けていく所存です。僕の中にポーズのストックが足りませんし、先人の学習のあとをトレースする方が早いですしね。ただ、模写は模写なので、表立って公開する気はサラサラないですが。(今回は説明のために特別に公開)